|
|
|
目黒区民交響楽団 |
目黒区民交響楽団第70回定期演奏会〜北欧音楽が描く物語と希望〜
|
会場 めぐろパーシモンホール・大ホール |
|
ペールギュント組曲を演奏中の目黒区民交響楽団
|
|
曲 目 |
|
グリーグ 劇音楽『ペール・ギュント』第1組曲,第2組曲
シベリウス 交響曲第2番ニ長調 Op.43 |
|
指揮者 |
|
角 岳史
|
|
ソリスト |
|
(ナレーション)田添菜穂子
|
|
出演者 |
|
目黒区民交響楽団
|
|
今回は「北欧音楽が描く物語と希望」と題してグリーグとシベリウスの有名曲を取り上げました。
指揮は角岳史先生で,これで2度目の協演となります。
グリーグの「ペール・ギュント」は学校の音楽の時間でも取り上げられる有名曲ですが,そのもとがイプセンの同名の戯曲(ただし上演を前提としないいわゆるレーゼドラマ)であることは,ほとんど知られていません。今回は第1組曲,第2組曲にある8曲を原作の物語の筋の順に組み直し,かつ各曲の中間にプロのアナウンサーによるナレーションを挟みました。これは,ペール・ギュントというぐうたら男が世界を放浪し,さまざまの冒険を繰り返し,最後に故郷に帰って来て亡くなるまでの一生を描いたいささか大河小説的な話です。話があちこちに飛ぶので,音楽だけを聴いてそれを思い浮かべることは到底困難です。ナレーターのメリハリの効いたナレーションは,大多数のお客様にとっては理解を助ける上で大好評を博しました。最後の「ソルヴェイグの歌」が終わったときには,ナレーターにも盛大な拍手が捧げられました。
シベリウスの交響曲第2番は,アマチュオアオーケストラにとっては定番です(当団も13年前に演奏)が,20世紀の音楽となるとやはりお客様には必ずしもなじみがないようです。今回は早めのテンポ設定で,各楽章のあるクライマックスで異常な迫力を見せました。北欧の旅行経験ある人からは景色を彷彿させる演奏だったという感想をいただき,また第1楽章から終楽章まで,終わりに近づくにつれて盛り上がりを見せた,というご批評を得ました。
最後に団員の画家が室内楽の様子を描いた印刷プログラムの表紙と,最近シベリウスの故郷,ハメーンリンナとヤーヴェンパーを訪ねた団員の印刷プログラム中の紀行文は,お客様にも好評をもって迎えられたことを付記します。
<良かった点>
ともかく,お客様が多かったこと。協奏曲や第九のような特殊演目がある場合を除いて,1056名というこれまで最高の入場者数を記録しました。ホールの定員は1200名ですから,見たところ満員です。これ以上お客様が来ると,チケットの配り方を再検討しなくてはなりません。また,技術的にも年々向上の跡が見えるとお客様にいわれ,嬉しくなりました。
<今後の課題>
ヴァイオリン奏者はこのところ急に増加し,第1第2とも8プルトずつというステージに載る限度に達しましたが,中低弦がなかなかで自力で充足できず,エキストラさんの助力に頼っています。これを自力で充足することが課題です。また招待のお客様にとしては将来の音楽愛好者となるべき若年者に大勢来聴してもらいたいのですが,皆さんそれぞれに忙しく,高齢者主体となってしまいます。
|
|
絶妙なナレーションを演じた田添菜穂子さん |
|
TCCに詰めかけたお客様 |
|