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横浜交響楽団 |
第616回定期演奏会(青少年のための音楽会)
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会場 神奈川県立音楽堂 |
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曲 目 |
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<サマーコンサート>
1・イベール:モーツァルトへのオマージュ
2.マスネー:組曲「絵のような風景」
3.日本学生音楽コンクール横浜市民賞受賞者演奏
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ト長調
4.ベートーヴェン:交響曲第6番ヘ長調「田園」 |
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指揮者 |
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甲賀一宏
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ソリスト |
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菊野凛太郎
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出演者 |
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戻り梅雨の合間、久しぶりに日差しの強い夏の日曜日、たくさんの来場者がありました。目標は全日本学生音楽コンクールで横浜市民賞を受賞した小学校5年生のヴァイオリニスト・菊野凜太郎君の演奏だろうと誰もが推測されました。確かにイベールやマスネ、ベートーヴェンの「田園」もいいかもしれませんが。
曲はイベール、マスネと進んで、いよいよ若きヴァイオリニストの登場です。第1、2ヴァイオリンパートの間を抜けて、というより座っている彼らより若干頭を出して舞台中央に出ました。
菊野君は今年もコンクールに挑戦するところ、断念し、横響とのオーケストラ初共演を優先してくれました。オケとしても責任重大です。チューニングではコンサートマスターと指揮者と3者で確認し合う、緊張の一瞬が聴衆のみなさんには逆に和やかな雰囲気に見えたようです。
ティンパニーの出だしからブルッフのヴァイオリン協奏曲が始まりました。この瞬間にわれわれ演奏者も何ともいえない感動を覚えました。年8回の定期演奏会をこなしている横響は数年前まで12回開催していて、ブルッフのこの曲は何回も演奏していますが、この日はまったく違った雰囲気でした。
まったく堂々とした第1楽章を終わるとそのまま第2楽章に入り、情感たっぷりの美しい旋律をこの若者は演奏しています。われわれは10歳の時いったい何をしていたのだろうか。第3楽章はもう緊張もなくまったく華麗な、すばらしいブルッフがそこにありました。終わった瞬間、ものすごい拍手が県立音楽堂を包みました。それはまったくの感動でした。
そこにはかわいらしい菊野君がニコニコとして聴衆の拍手に答えていました。音楽堂の中にはこれからもこの若者を応援していこうという人たちで満ちていました。
アンケートの中に「オーケストラはソリストに引っ張られていい演奏をしました」というのがありました。
横響はこれからも若い人といつも共演していきたいと思っています。
おかげで「田園」は満ち足りた気持ちを引きずって演奏することができました。終演後、菊野君にサインをねだっている人が結構いましたね。これからもフアンが増えそうです。
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