今回は,ドイツロマン派の淵源をウェーバーに求め,メンデルスゾーンとシューマンの代表的な交響曲を演奏いたしました。これら3名の作曲家には,当時のドイツでも文化水準の最も高かった地方の一つであるザクセン王国(現在のドイツ連邦共和国ザクセン州)に縁があるという共通点を見出すことができます。ウェーバーは多くの地方を巡り,楽壇生活の後半をザクセン王国ドレスデンで過ごし,ロンドンで客死しましたが,最後の作品は同地で初演したこの歌劇「オベロン」でした。メンデルスゾーンはベルリンとザクセン王国の首都ライプツィヒを主要な活動の場としました。メンデルスゾーンと関係が深かったシューマンはザクセン王国ツヴィカウに生まれ,この地方で活躍したのち,ラインラントに移り交響曲第4番(第2版)を完成しました。
清水先生には,過去2回フランスの音楽を取り上げていただきましたが,今回は一転してドイツ音楽を指揮していただきました。交響曲2曲というのはやや重いプログラムでしたが,聴衆の皆様には最後まで熱心に聴いていただき,アンコールの「ハンガリア舞曲第5番」で演奏会を閉じました。
今回ちょっと残念だったのは,ここ数回1000名台を維持してきたお客様が震災の後遺症か,わずかに大台割れしてしまったことです。次回は宣伝方法に工夫をさらに凝らすつもりです。
なお,ポスターやチラシを早くから用意した関係で特に「チャリティコンサート」とは銘を打ちませんでしたが,お客様から94,824円,団員から19,808円の義捐金をお預りし,これに演奏会チケット代金の全額111,800円を加
え,合計226,432円を目黒区と友好都市関係にある気仙沼市にお贈りしました。さらに,秋には気仙沼の小中学校で巡回コンサートを計画しています。
|