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大府市楽友協会管弦楽団 |
第30回記念定期演奏会
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会場 大府市勤労文化会館 |
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開演前の客席
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曲 目 |
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ベルリオーズ 幻想交響曲
ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番
ベルリオーズ ラコッツィ行進曲
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指揮者 |
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武藤 英明
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ソリスト |
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佐部利 弦
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出演者 |
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ラフマニノフと幻想、大曲同士の組み合わせは、限られた練習時間の中で消化不良になるのではないか。指揮者・ソリスト以外にも、特殊楽器、エキストラの手配に経費と手間がかかりすぎるのでは。心配の声もありましたが、せっかく30回目の記念演奏会であるし、普段取り組めないような大きなものをやろう、との意見が勝って、今回のプログラムが決まりました。
楽団員の意気込みもさることながら、指揮者の武藤英明先生の素晴らしい音楽には、練習のたび目からウロコが何枚も落ちる思い。練習時間も大幅に増やして下さり、厳しい言葉ではなく笑顔で、しかし肝心なところは納得のいくまで、何度でも繰り返してご指導下さいました。チェコフィルなど世界の一流オケを振っておられる先生が、地方都市の市民楽団に心血を注いで下さることに感激。練習を重ねるうち、武藤先生のあたたかい感性に包まれて、演奏することが純粋に楽しくなっていました。
演奏会当日、早くも正午前から当日券を求めるお客様が。開場を待つ人の列がみるみる伸び、壁に添ってロビーを一周したため、開場を早めました。その後も次々とお客様が訪れ、開演5分前にプログラムが全て無くなり、遅れてくる人のために団員用のプログラムまで出しました。ホールのキャパ800人をやや上回る動員、30回目にして初めて補助椅子を用意しました。
今回、図らずもクラシック初心者にとってはオーケストラ入門的な要素が盛り込まれた演奏会になったのでは、と思います。
人気沸騰中のラフマニノフのPコン2番は、ピアニスト佐部利先生の熱演で更に魅力を増し、客席はその迫力に圧倒されていました。
幻想はハープ2台、チューバ2本、コールアングレ、エスクラ、コルネットなど普通装備でない陣容に加え、バンダ・オーボエや4人の奏者によるティンパニ演奏、5楽章で打ち鳴らされるカリヨンなど、仕掛けが満載でした。
前座ロビーコンサートで演奏されたボロディンも、演奏会への期待感を高めたと思います。
客席が満員ということがホール全体の響きを変え、演奏者も変えるのだと実感しました。良い意味での緊張感が客席ぐるみホールを満たしており、武藤先生の一見シンプルな棒さばきから、私たち奏者に語りかける独特な感性が溢れてきます。半年間の練習で培った信頼感があるから、演奏者は120パーセントの力を発揮できました。出てくる音楽は今までにない音色をしていたと思います。曲が進むにつれ、もうこれで終わりかと思うと涙が出そうになった、という奏者もいました。
演奏が終わると、きめ細やかな拍手がホールを埋め尽くし、熱心に続きました。舞台の上では皆が満面の笑顔、武藤先生も笑顔。アンコールの後、指揮者が弦のトップ奏者と一人一人握手を交わし、舞台を去るまで拍手が途切れることはありませんでした。
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ピアノ独奏:佐部利 弦 先生 |
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幻想 |
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