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第46回全国アマチュアオーケストラフェスティバル「高知大会」
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| 於 高知市文化プラザかるぽーと |
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| 曲 目 |
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【歓迎演奏】
ホルスト:セントポール組曲
前田克宏(編曲):弘田龍太郎のこどもの歌によるファンタジア(初演)
【フェスティバルオーケストラA】
リヒャルト・シュトラウス:ドン・ファン
リヒャルト・シュトラウス:ティルオイレンシュピーゲルの愉快ないたずら
【フェスティバルオーケストラB】
マーラー:交響曲第1番「巨人」 |
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| 出演者 |
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【歓迎演奏】
指揮:佐々木新平
演奏:高知香南ジュニアオーケストラ・高知ジュニアオーケストラ
【フェスティバルオーケストラA】
指揮:川瀬賢太郎 コンサートマスター:三浦章宏
【フェスティバルオーケストラB】
指揮:井��正浩 コンサートマスター:森田昌弘
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「台風銀座とも呼ばれる高知で、8月にアマオケフェスティバルを開催するって、本当に大丈夫?」
これは、高知大会の開催が決まった日から実際に大会が始まるまでの間、地元運営スタッフ全員の心の片隅で絶えずくすぶり続けた不安でした。実際、7月には台風7号の接近とそれに続く記録的な豪雨によって、高知に人や物資を運ぶ大動脈とも言える高速道路が損壊し、一時期不通になりましたし、その後もかつてないほどのペースで新しい台風が次々と発生し、大会を目前に控えたスタッフの不安は高まる一方でした。
他方、大会に向けた準備は遅々として進まず、むしろ台風襲来で大会が中止になればよいなどと、やけっぱちな気持ちにもなりながら、しかし地球がまわることをやめるはずもなく、予定と寸分の違いもなく大会前日がやってきました。天気図をみると、二つほど台風の姿がありましたが、そのコースとスピードをみると、奇跡的にも大会への影響は避けられそうでした。
《大会前日〜海外参加者ウエルカムパーティー》
その日は猛烈な雨の音で目が覚めました。高知の雨は下から上に向かって降るとよく言われます。これは、地面にたたきつけられた雨粒が、勢いよく跳ね返ってくるので、傘をさしていてもずぶ濡れになってしまう様子を表現したもので、高知では日常的に非常に激しい雨が降るということを意味しています。土佐人にとって大雨はそれほど驚くことではなく、また過去に受けた被害の教訓から、あらゆる点で十分な備えができています。ただ、一時的に交通が寸断されることだけは避けられません。この日も航空機だけは通常どおり運航していましたが、鉄道は朝からストップ、高速道路も閉鎖されてしまいました。鉄道や車で高知入りする参加者に影響が出てしまうのは間違いないのですが、こればかりはどうすることもできません。天に向かって一刻も早い回復を願うばかりでした。
幸い午後には鉄道も運行を再開し、夕方には指揮者、コンマスの先生方や海外参加者を迎えての歓迎会が始まりました。和やかな雰囲気で海外からの参加者とも打ち解け、前夜祭だというのに大盛り上がり。宴会好きな土佐人としては、いつまでも楽しみたいところでしたが、本番は翌日から。気力と体力を温存するために、地元スタッフも早々に解散しました。一部の人を除いて。
《大会初日〜パート別懇親会》
前日の雨が嘘のような上天気。しかも、真夏の高知らしからぬ涼しさ。八百万の神に感謝しながら、早速会場の準備に取りかかりました。参加者の募集と選考に際し、実行委員会が一番悩んだのは、いったい何人まで舞台に乗ることができるかということ。何しろ、日ごろ経験したことのない大人数のオーケストラです。何度も図面を描き直して大体の人数をはじき出したのですが、いざ募集を始めると応募者が定員をオーバーしてしまうパートがいくつもありました。
「せっかく応募してくれているのだから、落選は避けたい。もう少し椅子の間隔を詰めれば、もう何人かは入れるんじゃないか」
「いやそれでは窮屈すぎて演奏できない。無理して人数を増やしておいて、当日になって舞台に乗れないなんてことになったら、いったいどうするつもりだ」
丁々発止のやりとりの末、ある程度の安全を見込んだ人数と配置に仕上げたつもりでしたが、実際に椅子を並べてみるまでは全く自信がありませんでした。
「無理です。並びません」
そのうち誰かが言い出しそうで、怖くて、本当は大して忙しくもないのに忙しいふりをして、舞台に近づかないようにしていました。
予定の受け付け開始時刻よりもずいぶん前から、少しずつ参加者が集まりはじめました。あちらこちらに見知った顔。ここまで来たら、後は参加者たちが流れを作ってくれるはず。運営スタッフはその流れに逆らわず、呑まれることなく上手に身を任せれば、いつかは向こう岸にたどり着けるはず。根拠のない安心感がわいてきました。
実際、開会式を終えて練習が始まってしまうと、参加者は指揮者やコンマスの先生方の魅力あふれる指導にたちまち引き込まれ、日常の生活にはないとても充実した時間が過ぎていきました。たぶん。
パート別懇親会では、乾杯を待ちきれずに飲み始める人、ひたすら昔話に興じる人、旨そうに地酒を飲み比べる人、鳴子もないのによさこい鳴子踊りを歌いながら踊る人などで大いに盛り上がり、中締めが終わるとさっさと二次会へ移動する人、翌日に備えてすぐに帰宅するつもりが、街でたむろするトランペットパートの人たちとばったり出会い、そのまま二次会に乱入して結局遅くまで一緒に飲んでしまった人など、高知の街は夜遅くまで賑わいました。
《大会2日目〜公式レセプション》
練習2日目。きのう半日練習しただけだというのに、しかも昨夜はみんな結構遅かったはずなのに、最初の合奏とは見違えるほど音が変わっています。この3日間だけのスペシャルオーケストラ、普段とは全く違う環境で、出会ったばかりのメンバーが音を合わせているはずなのに、この一体感はどこから生まれてくるのでしょう。みんな本当にすごい!
夜には高円宮妃殿下をお迎えしての公式レセプション。ユーモアあふれる妃殿下のお言葉は、本当に素敵です。この日は本物のよさこい鳴子踊りも登場し、前夜同様大いに盛り上がりました。たぶん。
《フェスティバルコンサート〜閉会式〜打ち上げ》
フェスティバルコンサートは、高知で活動する二つのジュニアオケによる歓迎演奏からスタート。
「せっかく高知でこんなに大きなフェスティバルを開催するのだから、大会が終わっても地元に何かを残せるようにしたい」
そんな思いで絞り出したアイディアがこの歓迎演奏でした。
「歓迎演奏なのに、なんで地元の指揮者じゃダメなんだ」
そんな意見もありましたが、半ば強引に周りを押し切り、JAO本部のご理解を得て佐々木新平先生のご指導を受けられるようになっていました。
この企ては大当たりだったように思います。佐々木先生の指導を受けた子供達の目はみるみる輝き、ついでにお母さん達の目も輝き、驚くほどあっという間にオケの音が変わっていきました。
実は高円宮妃殿下が終演後に最初におっしゃったコンサートのご感想は、ジュニアがよかったということ。大会を通して一番感激した瞬間でした。
標準配置から対向配置へと変わるAオケからBオケへの舞台転換を予定の時間内に終えられるかどうかは、本番中の一番の心配事でしたが、ここで力を発揮したのは全国から駆けつけてくれたボランティアスタッフの皆さんでした。一般参加者と同じようにボランティアスタッフを公募したのも、この高知大会の特徴だったと思います。地元スタッフの絶望的な数の少なさをなんとか補おうと考えた苦肉の策でしたが、フェスティバルのことを知り尽くした人たちの力は想像をはるかに超えていました。本当に助かりました。
舞台裏で聴いていたスタッフが感動のあまり涙を流していたように、社会人フェスティバルオーケストラの演奏も、とても素晴らしいものでした。わずか2日でこのレベルまで仕上がるというのは本当にすごいことです。そして、指揮者、コンマスの先生方の素晴らしさに改めて感動。天井から降ってくるような拍手はなかなか鳴り止みませんでした。
閉会式では恒例の大会旗引き継ぎ。実はこの大会旗、刈谷から引き継いだ後、我が家の押し入れにしまい込んだまま一度もケースから出すことはなく、開会式直前になって組み立て方がわからず、慌てる始末でした。結局最後までじっくり眺めることもなく、久留米に引き継ぎました。大会準備中はある意味「大変さ、苦しさ」の象徴でしたから、ちっとも見たいと思わなかったのに、いざ手放してみると妙に寂しいなんて、勝手なものです。
打ち上げはたくさんの当日参加者も交えての大盛況。失敗もたくさんあったけれど、皆さんに楽しんでもらえた3日間だったと締めくくっていいでしょうか。少しだけホッとしました。
「大会が終わると、きっとさわやかな達成感や開放感を味わうことができるはず。いやそれとも、急に目標を失って喪失感に苛まれるかな」
そんなことを想像していましたが、実際には自分でも驚くほど気持ちの変化を感じることがありません。むしろ、一演奏者として参加した過去の大会の方が、よっぽど心を揺さぶられたように思います。とんでもない拍子抜けでなんだか損した気にさえなりましたが、本気で力を出し尽くした後というのは、案外そんなものなのかもしれませんね。
「全国アマチュアオーケストラフェスティバルの主管を務めるというのは、もちろん簡単なことではないけれど、決して毎回神様のように特別な力を持った人たちが、易々と運営しているわけではない。各開催地の運営スタッフたちが、一生懸命努力して成り立ってきたはず。だから、私たちは断るべきではないし、私たちだってやれないはずはない」
そう考えて高知大会の開催を受け入れ、周囲を説得してきました。結果として、その考えはそんなに間違っていなかったと思いますが、実際に運営してみて初めて気づいたこともあります。それは、指揮者やコンマスの先生方、そして参加者の皆さんの力が、この大会を成立させるうえでいかに大きいかということです。運営スタッフができることは、ちょっとした準備やお手伝いにすぎません。大会に魂を吹き込み、突き動かすエネルギーを与えるのは、まさにひとりひとりの参加者、そしてそのことが、このフェスティバル特有の不思議な魅力を生み出しているのだと思います。開会式直前に抱いた不思議な安心感の根拠を見出した気がしています。
今回の高知大会の開催にあたっては、本当に大勢の方々に助けていただきました。人の優しさ、親切さを全身で感じることができた貴重な経験だったと思います。
第46回全国アマチュアオーケストラフェスティバル高知大会にお力添えいただいた全ての皆様に改めて深く感謝し、この稿を閉じたいと思います。ありがとうございました。
第46回全国アマチュアオーケストラフェスティバル高知大会実行委員長
竹内繁治
大会参加者:401名(ジュニアオケを含む)
フェスティバルコンサート入場者:759名


公式レセプション(アトラクション)

歓迎演奏
(高知香南ジュニアオーケストラ・高知ジュニアオーケストラ)

練習風景
(フェスティバルオーケストラA:小ホール)

練習風景
(フェスティバルオーケストラB:大ホール)

閉会式(大会旗の引継ぎ)
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