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TCC活動レポート
第38回全国アマチュアオーケストラフェスティバル札幌大会
於 札幌コンサートホール“Kitara”
2010年6月18日(金)〜20日(日)
コンサート:6月20日(日)



曲 目 エルガー:エニグマ変奏曲【フェスティバルオーケストラA】
ラフマニノフ:交響曲第2番ホ短調【フェスティバルオーケストラB】
ハイドン:ヴァイオリンとピアノのための協奏曲【フェスティバルマスターズオーケストラ】
出演者 【フェスティバルオーケストラA】
  指揮者:秋山和慶
  ゲストコンサートマスター:大平まゆみ
【フェスティバルオーケストラB】
  指揮者:秋山和慶
  ゲストコンサートマスター:深山尚久
【フェスティバルマスターズオーケストラ】
  指揮、ヴァイオリンソロ:安永 徹
  ピアノソロ:市野あゆみ

2010年のフェスティバルは、16年ぶりの北海道札幌での開催となりました。
しかし、今大会は、これまでとは違った意味で、記憶されるべきフェスティバルとなったといえるのではないでしょうか。

それは、みなさますでにご承知のとおり、JAO創設者森下元康先生が、大会開催をご覧になることなく、本年5月に逝去されたということです。
私たち札幌大会実行委員会も、開催か否かをずいぶん迷いましたが、JAO本部のご判断もあり、「逆に、天国の森下先生にぜひ成功した札幌大会を見ていただこう」という気持ちでひとつになり、準備を予定通り進めました。

そして、大会は2010年6月18日(金)から20日(日)の3日間、札幌コンサートホール“Kitara”をメイン会場に、予定通り開催されました。
例年8月に開催されていたフェスティバルですが、北海道の夏はきわめて観光客で混み合うこと、上海万博演奏会の予定が7月にあったこと、さらに6月の北海道はいっせいに花々が咲き始め、梅雨もなく快適なこと、・・・といったことから6月開催となったものです。
6月18日(金)、全国からの参加者は、ぞくぞくと札幌・中島公園のKitaraへ集まってきます。受付を済ませるとすぐ、開会式会場の大ホールへ。ここは、大会最後の日の晴れ舞台でもありますが、その美しさ、壮大さに皆様圧倒され、そこここで早速記念写真のシャッター音が聞こえていました。
一方、受け入れ側の我々スタッフは、いよいよ戦闘開始ということで、緊張の中にも笑顔を絶やさず、本当に遠方からいらした皆様を歓迎すべく作業を淡々とこなしていきました。

そして、約300名の方々が集まり、開会式が13:30からスタート。
ステージ上には今回ご指導いただく先生方も勢ぞろいです。そしてその真ん中に森下先生の遺影が大きく掲げられました。
最初にご挨拶に立った足木理事長のお声で、まず全員で森下先生への黙祷がささげられました。
ご挨拶では、先生の偉業にまけずに、この大会を立派なものにしましょう、と力強くお話があり、続いて先生方のご紹介となりました。
はからずも今回ご指導いただく先生方は皆様北海道にご縁のある方ばかりとなりました。
秋山和慶先生は,A、B両オケを指揮されますが、札幌交響楽団(札響)とは古くからのご関係です。実は先生は初日の夜、札響メンバー主催の歓迎会(同窓会?)で大変盛り上がったそうです。
そして、Aオケ・コンマスの大平まゆみ先生は、現札響コンサートマスター、Bオケ・コンマスの深山先生は、元札響コンマスで、なんと大平先生と藝大時代の同級生、びっくりしました。そして秋山先生のアシスタントを務められた松元先生も現在帯広交響楽団を指導されているそうです。
さらに、今回3つ目のオケとしてフェスティバルに登場したフェスティバルマスターズオーケストラを指導されるのは、安永徹先生・市野あゆみ先生ご夫妻ですが、おふたりは現在、丘のまちとして知られる北海道美瑛町にお住まいです。

こうして無事開会式を終了し、3つのオケは早速練習開始です。
かつてあまり経験のない、3つのフェスティバルオケ同時練習。
Kitaraの機能を最大限に活用して、「大ホール」「大リハーサル室」をA,Bオケが交替で、さらにマスターズオケ(Mオケ)は、小ホールを独占使用、という形で見事可能となりました。しかし、最終的に本番がおこなわれる大ホールでの練習はMオケにも経験いただこうと、結局大ホールでは順番に3つのオケが練習することになり、舞台転換など相当苦労がありましたが、スタッフの献身的な努力もあり、無事大きな事故もなく練習は順調に進みました。

18日夜は、恒例の「パート別懇親会」です。
北の一大歓楽街“ススキノ”も近く、それぞれ事前に準備された会場に散って、大いに札幌の第一夜を楽しまれたようです。
Aオケコンマスの大平先生は、「懇親会に参加させていただいたのですが、会場に着いたら、もう80名をこえる?大ヴァイオリニスト集団! こんなのはじめての経験で、びっくりでしたが、本当に楽しかったですよ。」と、後日おっしゃっていました。

19日もそれぞれ熱のこもった練習が進められ、夕方からは、場所を札幌の名門ホテル「札幌パークホテル」に会場を移して、公式レセプションがおこなわれました。
大きなホールも300名の参加者でみるみるいっぱいに。神野JAO会長、北海道知事(代理)札幌市長(代理)のご挨拶、そして乾杯です。
乾杯の声がかかるやいなや、皆様、用意された料理へといっせいに動かれました。特別に注文してあった、カニ、海鮮料理、さらにはじゃがいもといった北の大地の味覚を中心に、あっという間に皿が空っぽに。さらにはその場で調理されたさっぽろラーメンも大変好評のようでした。
さて、大変残念なことですが、今年の大会には、高円宮妃殿下のお姿がなく、参加者はじめ私ども事務局としてもなにか開催の喜びが少し減ってしまった気がしました。
丁度同じ時期に、サッカーワールドカップ南アフリカ大会が開催され、妃殿下は日本サッカー協会名誉総裁としてご出席されたわけですが、昨年「ぜひ北海道へうかがいます。」とお話しいただいていたこともあり、残念でした。
こうして、公式レセプションのあとは、非公式レセプション?で、ススキノが再び、いやさらに盛り上がったことは言うまでもありません。

一方、19日、20日と2日間にわたり、運営協議会が開催され、25名の方が全国からお集まりになり、活発な意見交換がおこなわれました。
今回は、「厳しい社会情勢、経済環境の中でアマオケはどう進んでいったらいいか」「JAO加盟オケのメリット、相互交流の具体化」などについて、これまで毎年フェスティバルでおこなってきた議論をまとめる形で話し合いがおこなわれました。
いくつか具体的な提案もあり、今後につなげるべく、整理し、議論経緯とともに後日発表させていただくことになりました。

さあ、いよいよコンサート当日の6月20日(日)です。
午前中は、3つのオケが順番にステージ上で最後の総合リハーサルです。
ところで、3日間を通してすっかりステージ転換もスムースになっていましたが、今回の大変困難な転換・移動・設定は、女性ステマネ大谷さんと、Kitaraの専属スタッフそして札幌フィルハーモニーを中心とした裏方メンバーの努力でここまで来ていたと言っても差し支えないでしょう。ピアノの都度の移動やA,BそしてMオケの編成の違いによる迅速かつ的確なセッティング。Kitaraの設備や機能を最大限に生かした今回の経験は、これからもさまざまな場面で生かされると思われます。こんなところにも、これだけの大会をこなすことの意味の大きさを痛感しました。

午後1時、Kitara大ホール前には、開場を待つお客様の列もできはじめ、1時半に開場です。そのころ、出演者は舞台裏でそれぞれ本番前最後の時間をすごしていましたが、先生方ともすっかり息があって、もう準備万端といったところ。
やがて開演を告げるベルのあと、まず足木理事長がご挨拶に。
故森下前理事長についてお話があった後、舞台が暗くなり、スポットライトの中、最初のステージMオケのソリスト安永先生・市野先生の演奏で、森下先生を偲ぶ追悼の小曲が2曲演奏されました。
そして、あらためてコンサートが、今度は華やかにスタートです。
司会は、地元エフエム北海道の千葉ひろみアナウンサー。
Mオケのメンバーが並び、両先生があらためて登場。華麗なコンチェルトが奏でられました。
そして、続いてAオケによる、「エニグマ変奏曲」。コンマスの大平先生は、札幌の皆様には特におなじみです。続いて秋山先生が登場、演奏が始まりました。この曲は多くの変奏曲が次々と続いていきますが、最後には、パイプオルガンが加わった迫力ある終曲が奏でられますが、ここでもKitaraの誇る大オルガンがホールいっぱいに鳴り響きました。
そして大きな拍手の後休憩となりました。

後半はラフマニノフ作曲の「交響曲第2番」です。コンマスは深山先生。引き続き秋山先生の指揮で、約1時間の大曲が素晴らしい迫力と美しさで演奏され、終了後はブラボーが続きました。

すべての演奏がおわり、会場ではそのまま大会の閉会式となりました。
札幌に置かれていた大会旗が、来年開催の福岡からいらした、福岡市民オケの石橋正秀さんへ手渡され、一気に福岡へバトンタッチされました。
こうして無事大会は終了、ではなく、最後は、演奏後の楽しい打ち上げ“フェアウェルパーティ”が待っていました。
皆さん着替えてから続々と集まってきたのはKitara近くの「キリンビール園」。ここでは、北海道ならではのジンギスカンや冷えたビールで3日間を楽しくふり返り、参加された各先生方ともすっかり“仲間”意識で話が弾んでいました。
そしてこれからも様々な形でつながりを深めていくことを約束して、皆さま帰途につかれました。
この間にも、スタッフはKitaraを中心に最後の整理、確認等をおこない、大きな事故や不具合もなく、第38回札幌大会は無事幕を閉じたのでした。
遠い北海道へお集まりくださった全国の皆さん、そしてさまざまなご支援をいただいた協賛各位、さらには札幌フィルハーモニーを中心とした北海道のスタッフメンバー、そして札幌市民の皆様、本当にご協力ありがとうございました。

   第38回全国アマチュアオーケストラフェスティバル札幌大会実行委員会
     実行委員長  伊東 充





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