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<21日(1日目)> 福島県郡山市にて、8月21日から23日までの3日間、第37回全国アマチュアオーケストラフェスティバルが開催されました。 21日正午から参加者の受付が始まりました。 次々と参加者が集まってきます。1年ぶりの再会を喜ぶ姿もあちこちに見受けられました。今回のフェスティバルでは、社会人A,Bオーケストラのみに的を絞り、フェスでしかできない 難曲2曲にチャレンジするということで、期待が大きかったのか本当にたくさんの皆さんが集まりました。 国内:349名、海外:5名、合計351名の参加者でした。 21日(金)午後1時から開会式が行われ、本格的なフェスティバルの幕開けです。今回は森下元康理事長がご参加いただけなかったのが残念でしたが足木準治副理事長からご挨拶がありました。そのあと指揮者、ゲストコンマス、参加オーケストラ、 海外からの参加者の紹介が行われました。 次に歓迎演奏が久々の復活です。 今回福島県内オーケストラ4団体(会津市民オーケストラ、いわき交響楽団、福島市民オーケストラ、郡山市民オーケストラ)で運営しているので今回のフェスティバルコンサートのためのオーケストラを編成し演奏しました。 演奏曲目は、シャブリエ作曲の狂詩曲「スペイン」、また地元である会津の民謡である「会津磐梯山」をアレンジした岡部富士夫作曲の管弦楽のためのコンポジション�を郡山市民オーケストラのミュージックアドヴァイザーで作曲家でもある岡部富士夫先生の指揮でお届けしました。 さて14時からはいよいよA、Bオーケストラに別れての練習に入りました。 今回は難曲にチャレンジということでAオケではストラヴィンスキー作曲のバレエ音楽「春の祭典」に挑みます。籾山和明氏のタクト、ゲストコンマスの森田昌弘氏、ゲストプレーヤーの新田幹男氏を迎え練習スタートです。Aオケは籾山先生との事前打ち合わせで変拍子の振り方を指示しておく必要があるということで、ご多忙中の中ご無理いただきマエストロにお時間をいただき指示をスコアに記入してもらい、郡山市オケで「籾山先生からの振り分け指示表」を作成し各参加団体に1カ月前に送付しました。その甲斐あって、1日目に指揮の指示方法のみで1日つぶれてしまうということはなかったようです。3日間の日程でどれだけ完成に持っていくかという情熱の現れですね。本当にありがとうございます。 Bオケでは、R・シュトラウス作曲のアルプス交響曲です。現田茂夫氏のタクト、ゲストコンマスの三浦章広氏を迎え、こちらもバンダや特殊楽器ウィンドウマシーン、サンダーマシーン、ヘッケルホーンなどがたくさんの大編成の曲へ挑戦です。 アルプスへ登って降りるまでの全体の物語をどのように作っていくか楽しみですね。 夜はJAO恒例のパート別懇親会ということで、各セクションに分かれて夜の街へ散って行きました。 各オケの近況や今回のフェスの意気込み、明日への活力をつけつつ、郡山市の夜はふけて行ったのでした。 <22日(2日目)> 22日は午前9時30分からA、Bオケに分かれてさらなる練習です。 2日目からは運営協議会の部もスタートです。今回は24名の運営委員会参加者、オブザーバとしては5名を迎え、また各議題の座長には県内オケの団長にお願いしました。 今回は前回第36回全国アマチュアオーケストラフェスティバル高松大会での結果を踏襲しつつ、テーマを絞って3テーマで展開しました。まず22日は2テーマを午前午後で話し合いました。 テーマ1:楽譜に関する情報の共有化について(版、編成、知的財産権、入手方法、費用など) テーマ2:運営メンバーの固定化について(全員参加意識、マニュアル化、情報公開、後任の育成など) 各オーケストラで悩みは同じ、いろいろな意見が交わされましたが発展的な提言も多く見受けられました。楽譜や著作権情報などの共有、情報公開など具体的でした。また運営メンバーの固定化については各団から多くの意見が出ておりメンバーが固定化している実態はどこでも同じようである。後身の育成をしながら固定化による負担を下げていくことも大切なことですね。 22日(土)の午後もA、Bオケは会場を大ホール、中ホールと入れ替え練習していますが午後4時からはAオケに脚本・ナレーションの熊倉一雄さんが合流し、春祭の演奏に新たな命が吹き込まれます。 引き込まれるナレーションと春祭の力強い演奏が、23(日)の本番が楽しみな限り だなと思われました。 そして午後4時30分からは高円宮妃殿下が会場に御成りになりA、Bオケの練習風景をそれぞれ熱心にご鑑賞されていました。明日の演奏に期待されていたようでした。 22日(土)は午後7時から、高円宮妃殿下を迎え、ホテルハマツにて公式レセプションが開催されました。会場には400名以上が参加しました。 最初に日本アマチュアオーケストラ連盟会長である神野信郎から主催者挨拶があり、そのあと高円宮妃殿下にお言葉を賜りました。 今回、福島こおりやま大会の大会会長を快諾いただいた福島県知事 佐藤雄平様からもご祝辞を賜り、大会副会長の郡山市長 原正夫様からの乾杯のご発声をいただきました。 公式レセプションといえば、サプライズコンサートですが今回も7団体がエントリーし個性あふれる演奏をしていました。中でも体を使ったパフォーマンスはパーカッションならではと言うところがありました。 予定時間を大幅に過ぎましたが、午後10時を回り、大会2日目の夜も明日への期待と不安で夜が更けていったのでした。 <23日(3日目)> 23日は午前9時30分から最終リハーサルです。Aオケは最終調整を午前11時からとし自主練習で始まりました。Bオケは大ホールでのバンダ合わせも含めたリハーサルに余念がありません。 Aオケも午前11時過ぎから熊倉一雄さんのナレーションも含めて、大ホールでの合わせは初めてでした。 A、Bオケともに期待と不安が入り混じり本番を迎えることとなりました。 一方運営協議会は最後のテーマである以下の内容を話し合いました。 テーマ3. 行政や企業との関わり方について (助成金、会場使用の優遇措置、文化貢献に対する理解など)。行政とのやり取りや、団費、年予算などを含めて、どのように助成してもらっているか事例を含めて意見交換を行った。総括としてテーマを絞ったことで発展的な意見が出てきて有意義な会議になった。今後はJAOのHP活用など積極的な提言へつなげていきたい。 また運営協議会の席上午前11時30分からはTCCの説明会として、トヨタ自動車様と博報堂から解説がありました。この経済情勢の中でトヨタ自動車様は変わらずに文化振興への理解と支援をお願いできるということで、今後も積極的な演奏会を期待するところです。 午後1時を過ぎるころはロビーに長蛇の列が、運営サイドとしても観客動員はとても気になるところでありお客さんがたくさん来てくれて本当にほっとしました。 午後1時30分開場でしたがすこし前倒しして開場しました。 午後2時にはいよいよフェスティバルコンサートのスタートです。 高円宮妃殿下がご着席され、フェスティバルオーケストラA バレエ音楽「春の祭典」の演奏からです。 籾山和明先生のタクトと、熊倉一雄さんのナレーションの息がピッタリ。そして変拍子で大変な旋律にナレーションで鼓動し、そして躍動します。 ゲストコンサートマスターの森田昌弘先生、ゲストプレーヤーの新田幹男さんもオケのメンバーをリードしてくれています。 アマチュアオーケストラでしかも、3日間という短期間でこの曲を演奏できるその全国からの精鋭たちが本当にすごいです。 休憩をはさみ、後半はフェスティバルオーケストラBの演奏です。 こちらはアルプスへの登山を模した一連の行程を曲にして次々と展開していく。 実際はアルプスではなくハインガルテン山登山の実体験からこのような曲になったそうだが 現田茂夫先生のタクトと、コンサートマスターの三浦章広先生の先導でオーケストラが山を徐々登っていく、そして頂上でのオーボエの甘い旋律が本当に印象的でした。 後半はウィンドウマシーンやサンダーマシーンなど特殊楽器が大活躍ですが今回のフェスティバルで苦労した部分は楽器収集にもありました。 地元を中心としたバンダも含めて、このすばらしい演奏に壮大なアルプスの山々が脳裏に浮かびました。 大きな拍手のカーテンコールの後は、そのまま閉会式へ続きました。 大会副会長である郡山市長より、来年第38回全国アマチュアオーケストラフェスティバル札幌大会の運営委員長 伊東充さんにJAO大会旗が引き継がれました。 伊東さんは「花咲く北海道、おいしいものもたくさんあります。来年は札幌へぜひおいでください」と挨拶されました。 フェスティバルコンサートが幕を閉じた後は、午後5時からフェアウェルパーティが5階の集会室で開催されました。今回は会場の制約で飲酒はできませんでしたが 高円宮妃殿下、籾山和明先生、熊倉一雄さん、現田茂夫先生から大会の感想、お言葉を賜り少しの時間でしたが、お互いの演奏に対する称賛、労いの言葉で和やかに時間が過ぎていきました。 これで大会日程はすべて終わりました。 3日間という短い期間に対して、2年前から準備してきましたが、いろいろご迷惑をおかけする部分不手際などがありました。でもここまでやってきて、参加された方々の笑顔を見て 本当にやってよかったと思いました。それが大会実行委員会としての一番の喜びでした。 大会に向けてご協力いただきましたJAO本部、トヨタ自動車様を含む協賛各団体、また福島県、郡山市などの共催各団体、行政、地元民間企業の方々の広告協賛、県内オーケストラの皆様の支援にここで改めて感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。 こおりやま大会実行事務局 松本 太助
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